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知っておきたい喪中はがきと返信マナー

喪中喪中はがきとは、一年以内に身内に不幸があった場合に新年の挨拶をご遠慮する事を事前に知らせる年賀欠礼状の事を指します。喪中はがきを出す場合には可能な限りは10月中に用意出来ると良いでしょう。喪中はがきや連絡を自分が受け取った際にどう返事したらよいのか分からないということはないでしょうか。喪中はがきの返信にもマナーがあり、きちんと守ることで安心して返事を出せますし、相手の印象に残るものですからしっかりと知っておきたいマナーです。
今回の記事では、喪中はがきと返信マナーについて詳しくお伝え致します。


喪中はがきの書き方

はがき喪中はがきは正式には「喪中・年賀欠礼状」といいます。普通のはがきや手紙とは異なるいくつかのルールやマナーがありますので注意が必要です。通常の手紙は前文・主文・末文の構成ですが、喪中はがきでは頭語・結語は不要で主文から始めます。また、一般的に文章内で句読点は使用せず行頭の1字下げも行わないという点も大きな違いであり注意点となります。年賀やお慶びという言葉は使用せず、はがきのデザインも華美な物は避けイラストがある場合は落ち着いた色で色数を抑えます。文字色は薄墨色が一般的でフォントは、楷書体・明朝体が多いです。
主文では、喪中の為に年賀欠礼する事をまず述べ、故人の名前・続柄・没月没日・享年を書きます。死因は書かず、夫婦連名の場合には世帯主を主にした続柄になります。末文では、これまでの付き合いの感謝と今後の付き合いをお願いする、または相手の無事を祈る言葉を添えます。この際に私信的な近況報告などは書きません。近況報告などをお知らせする場合は、喪中はがきとは別に報告のはがきを出すのが一般的です。
また、はがきや切手は郵便局の通常はがきは胡蝶蘭のもの、切手であれば弔事用普通切手花文様を利用すると良いでしょう。

タイミングや注意点

一般的には年賀欠礼の挨拶である為、年賀の挨拶を行う新年の前に届けば問題ありませんが、喪中はがきを受け取った方も年賀状を送らないという風習が確立していますので先方が年賀状の準備にとりかかる時期である11月中旬から遅くても12月初旬には届くように出すのが良いでしょう。年末に不幸があった場合には形式上喪中はがきを出すという方と、喪中はがきは出さずに寒中見舞いを送るという方います。喪中はがきを出し忘れた方から年賀状が届いた場合も同じく寒中見舞いを出し喪中であることを伝えます。寒中見舞いを出す場合には松の内(1月7日)が明けてから節分までに届くように出します。必ず忌が明けてから出すようにしましょう。神道では50日祭後、仏教では49日法要後です。※忌明けの日数は、宗教によって変化します。
年賀状を用意してしまった後に身内に不幸があった場合には、投函前であれば郵便局の窓口で服喪である旨を伝えて住所氏名や亡くなられた方の続柄等を専用用紙に記入して申し込むと喪中はがき・弔事用切手・通常はがき・通常切手などに無料で交換して貰えますが交換できる期間は、購入したお年玉付郵便はがきの販売開始日~販売期間終了日までなので注意しましょう。現金での返金して貰う事は出来ません。投函後に身内に不幸があった場合も「取戻請求」を行うと投函した年賀状を取り戻すことが出来ます。※タイミングによっては料金が発生しますので実際に確認をして下さい。

送る相手の目安

喪中はがきを出す親族の範囲は、基本には1年以内に一親等二親等の親族が亡くなった場合に出し、多くは世帯主からみた続柄や間柄です。一親等は配偶者(本人と同一とみなす場合もあります)・両親・子 ・配偶者の父母の事を指し、二親等は兄弟姉妹・祖父母・孫・配偶者の兄弟姉妹・配偶者の父母の親(義祖父母)を指します。近年では一親等と二親等までは多くの方が出すようですが、二親等以内の場合でも故人と同居していた場合は出すが別居していた場合は出さないという判断も多々見受けます。また、二親等でよく悩まれるのは、配偶者の祖父母や配偶者の兄弟姉妹、兄弟姉妹の配偶者などのいわゆる「姻族」で、この様に喪中はがきの判断が難しい場合には年長者の方に相談した方が安心でしょう。
また、東日本震災の翌年から登場した「年始状」を利用される方も増えてきました。「喪中はがき」は大げさに感じるけれど年賀状を送るのも気が引ける、という方が「年始状」を送られているようです。
喪中はがきを送る相手の目安ですが、一般的には年賀欠礼の挨拶状なので毎年年賀状を交換している方に出しますが、喪中である事を改めて報告する必要のない「身内」には出さない方が多いです。一方、公私を分けて(特に姻族の喪中の場合は)仕事関係先へは例年通り年賀状を出す方が多い様です。


返信方法

文面喪中はがきは、本来は近親者の死により喪に服す期間を知らせ、慶事を控える年賀欠礼の知らせが大きな役割になります。中には返信不要などの文面が添えられている場合もありますから、必ずしも返事をしなければならないものではありません。ですが、返信不要と書かれていても返事をしてはいけないわけではありませんので、お世話になっている目上の方などに対しては送った方が良いなど、状況に応じた柔軟な対応が求められます。
喪中はがきへ返事をする主な返信方法には三種類あり、受け取ったらいずれかの方法を取って返事をするのが望ましいです。
三つの返信方法というのは寒中見舞い・喪中見舞い・年始状になりますのでそれぞれの違いや特徴についても併せてお伝え致します。まずは中でも一般的な寒中見舞いです。喪中はがきの返事を寒中見舞いとして書くのはマナー的にも問題のない行為となります。寒中見舞いと聞くと季節に焦点をあてた挨拶状のように思われるかもしれませんが実際に起こりは冬の挨拶としての側面が強く、喪中はがきの返事としては使われていませんでした。ですが現在では、喪中はがきの返事として送ることは差し支えなく最も普及しているものです。出す期間も決められていて、松の内(一月七日まで)が明けてから立春(二月上旬まで)の間に出すものとされています。次に喪中見舞いですが。同じく喪中という言葉が入っていますから、喪中見舞いが一番適しているようにも思えますが、実際は他の返信方法に比べてマイナーな返信方法です。寒中見舞いは松の内(一月七日まで)が明けてから立春(二月上旬まで)の間の年明けに送るものでしたが、喪中見舞いは、喪中はがきが来たら即時に返す必要があります。また喪中見舞いは年末までに届くように送るのがマナーで、香典やお供え物も一緒に送る場合もあります。死亡通知はがきなどで亡くなった直後に知らせを受けた場合には香典とお悔やみ状をその場で送ります。死亡通知はがきや葬儀に関しての連絡がこず、喪中はがきによって初めて亡くなった旨を知った場合には香典などは喪中見舞いと一緒で問題ありません。最後に年始状です。年賀状と似ていますが、年始状は喪中の方へも送ることができるものです。年始状自体は東日本大震災以降に被災した方に対し送る目的で普及してきました。年賀状との大きな違いは賀詞を使わないという点です。年賀という言葉は元々おめでたいものであり新年を迎えられた喜びをあらわすものです。喪中期間は賀詞を使うのは避けるべき事ですから、新年の挨拶のみを伝える年始状が適切となるのです。年賀状と似たような側面もあり、年始状では近況報告を添えても問題はありません。
余談となりますが近年では日常連絡だけでなく年始の挨拶などもLINEなどで連絡を送る場合が増えてきています。最も一般的な寒中見舞いの様におおよそ一月上旬から二月上旬までに返事をするのとは異なり、LINEなどの場合には連絡が送られてから時期をみて返事を送るのは少し不自然と言えますしLINEなどの性質からしても、あまり返信までに時間をかけるのは得策ではありませんからLINEなどで喪中の連絡の確認をしたらすぐに返事を送るのが通例となります。

返事の仕方

喪中はがきへの返事方法として三種類あることをお伝えしましたが寒中見舞い・喪中見舞い・年始状とそれぞれに特徴があり少しずつ違いもあります。はがきが送られてきた際にどの方法で返信するか悩む場合もあるでしょう。返信方法によってはすぐに返事を出さなければいけない場合もあります。まずは寒中見舞いですが、先にお伝えした通り「松の内が明けてから立春までの期間」に出すのが通常です。一月八日(地域によっては十六日)から二月上旬までとされています。年末年始に届くように出してはいけないという事が注意点になります。次に喪中見舞いですが、こちらははがきを受け取ったら可能な限り早く、遅くとも年が明ける前までに送ります。年始状の場合は年賀状と同じく、年始に届くように送るのが望ましいとされています。
続いて返事の仕方の注意点ですが、出す時期と共に書く内容についても注意点があります。言葉選びを間違えないというのも寒中見舞いや喪中見舞いでは重要な事項になります。共通して使ってはいけない言葉は「おめでとう」や「謹賀新年」など新年の喜びをあらわす言葉です。また、文章中に句読点は入れず、数字などは全て漢数字を使い、拝啓や敬具などの単語も入れません。書く内容については、近況報告などは問題ないとされていますから、近々にあった事柄の報告を添えて返事を送ると良いでしょう。しかし、ここでもおめでたい祝いごとの報告はマナー違反となりますので、例えば結婚報告などは次の年賀状などで別の機会で報告するのが望ましいです。
それではここからは、種類別の注意点をお伝えしていきます。寒中見舞いで返事をする場合の注意点として、まず忘れてはいけないのがお悔やみの言葉です。喪中はがきをいただいたお礼と共にお悔やみの言葉を忘れないようにしましょう。お悔やみの言葉に続けて、相手を気遣う言葉や健康を願う言葉を入れましょう。お世話になったことに対する感謝を述べるのもよいとされています。寒中見舞いは年が明けてから少なくとも一週間以上間を空けて送るものですから、喪中はがきが送られてきてからだいぶ間が空くことになります。はがきをいただいたことから新年の挨拶を控えたことも伝えましょう。次に喪中見舞いで返事をする場合ですが、寒中見舞いであげた注意点をおさえておけば、喪中見舞いの場合も文章に大きな変化はありません。ですが喪中見舞いの場合は、年が明けても自分から年賀状を送ることを控える旨を報告する必要があります。最後に年始状で返事をする場合ですが、年始状は先に挙げた二つに比べ、比較的カジュアルな印象の挨拶状と言えます。年始状は年末年始に届いたとしても問題はなく、返信の内容は寒中見舞いや喪中見舞いと同じ注意点をおさえれば問題ありません。年始状にしかない使われ方として、喪中はがきを送っていない人から思わず年賀状が送られてきた際にその返事として送ることも可能です。ですから自分が送る側になったときも送られる側になった場合も、使う可能性があるのが年始状です。次にメールやLINEで返事をする場合についての注意点ですが、喪中の旨がメールやLINEで送られてきた場合に限り、同様の方法で返信することは失礼にあたりません。性質上、寒中見舞いを意識し年明け前に返事をするようにしましょう。また、スタンプや絵文字・顔文字は使用しない様にするというのが注意点になります。

注意点

喪中はがきの返事には寒中見舞い・喪中見舞い・年始状があるという事をお伝えしましたが、香典を送る場合には原則として喪中見舞いで返すのがマナーとなります。香典を辞退する旨が相手側から伝えられている場合は送らなくても問題はありませんが、もし香典を送る場合には相手にかかる負担も考えなければなりません。基本的には現金は送らずに場に適したものを送るのが礼儀となります。あまりに高価なものを送る事も相手の負担になりかねませんから状況次第では喪中見舞いと一緒に送らないというのも一つの選択と言えます。
中には相手も自身も共に喪中という場合もあります。お互いが喪中期間である場合には喪中はがきを送りあうことになるかもしれません。自分が先に送っている場合なら問題や悩みは抱かないのですが、相手から先にはがきが届いた場合にはどうしたら良いのか悩んでしまうかもしれません。喪中はがきの役目は年賀状の送付や慶事へ参加するのを控える旨を伝える為のものです。ですから、はがき送付が重なってしまうことは特に失礼にはあたりません。自分も喪中であるという旨を伝える連絡を相手に送るのが適切となります。

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